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工事写真の管理方法とは?台帳作成・提出まで効率化するポイント

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工事写真を撮るのは簡単ですが、「撮った後の整理」に頭を悩ませる人は少なくありません。

日々の工事進捗を追いながら、撮影した膨大な写真を整理・分類・提出用にまとめるのは大きな負担です。撮影時には適切に黒板を入れていても、後でフォルダ名や写真番号が混乱し、結局、夜遅くまで台帳づくりに追われる…そんな経験をした人も多いでしょう。

しかし、工事写真の管理は単なる事務作業ではなく、品質・契約・法令の3側面を支える重要業務です。適切に整理・保存された写真は、後から検証できる強力な証拠となり、工事全体の信頼性を高めます。

この記事では、工事写真管理の基本的な考え方から、実践的な管理方法、さらに効率化に役立つ最新ツールまでを体系的に解説します。時間をかけずに確実な管理を行い、品質と生産性を両立する現場運営を目指しましょう。

工事写真管理の目的と重要性

工事写真の管理は、単なる記録作業ではなく、工事全体の品質・透明性を支える基盤です。特に公共工事や大型プロジェクトでは、写真が唯一の客観的なエビデンスとなる場面も多く、適切な管理は現場責任者の信頼に直結します。

品質保証の証拠

工事写真は、施工品質を証明する「動かぬ証拠」です。目視では確認できない内部構造や、完成後に覆われてしまう部分を記録することで、後から検証が可能になります。

たとえば、配筋・型枠・防水層などは完成後に隠れてしまうため、写真記録が唯一の確認手段になります。もし問題が発生しても、写真があれば設計通りに施工されたかどうかを客観的に判断できます。

これにより、手抜きや誤施工の疑念を防ぎ、現場全体の信頼性を高めることができます。また、近年は発注者からの品質要求が高まっており、施工段階ごとの細かな記録が求められる傾向にあります。

そのため、撮影だけでなく、分類・整理・キャプションの付与までを正確に行うことが重要です。

契約履行の証明

工事写真は、「契約通りに工事を行った」ことを示す公式記録でもあります。契約書や設計図書で定められた仕様・数量・品質を満たしたかを証明するため、写真は客観的な根拠となります。

たとえば、舗装厚や鉄筋間隔、使用材料の確認など、仕様を満たしていることを示す写真は、発注者への報告や出来形検査時に必須です。また、変更工事や追加工事が発生した場合でも、写真があれば工事内容を正確に説明でき、発注者との認識の齟齬を防げます。

近年では、電子納品やクラウド提出の普及により、写真データの信頼性がますます重視されています。正確な撮影・整理を行うことは、発注者との良好な関係を築く上でも欠かせない業務といえます。

法的義務の遵守

工事写真の管理は、法律上の義務としても定められています。建設業法では、施工体制台帳や施工記録の整備が義務付けられ、工事写真はその補助資料として重要な位置を占めます。

また、国土交通省の「デジタル写真管理要領」や地方自治体の要綱では、写真撮影の基準・保存形式・改ざん防止策が明記されています。公共工事では、要領に適合しない写真が提出されると再撮影や再提出を求められるケースも多いため、最新基準を把握することが不可欠です。

法令や要領を遵守した写真管理は、コンプライアンス強化だけでなく、万が一の紛争時にも会社を守る防御策になります。

公共工事ではデジタル写真管理要領に基づく写真管理が必要となる

公共工事では「国土交通省デジタル写真管理要領(令和5年版)」に基づく写真管理が求められます。この要領は、電子データによる提出を前提としており、写真の信頼性確保と改ざん防止を目的に策定されています。

デジタル写真管理要領の概要について

国土交通省が定める「デジタル写真管理情報基準(令和5年3月改定)」では、工事写真の撮影から保存・提出までを統一ルールで管理することが求められています。この基準は、施工記録の信頼性を高め、品質管理や出来形確認を確実に行うことを目的としています。

撮影時には、黒板の文字が明確に判読できる解像度や、撮影位置・方向の記録などが求められます。写真データは編集を行わず原本性を保持することが原則とされ、ファイル名の付け方(連番・半角英数字)やフォルダ構成、属性情報(工種・撮影日・撮影箇所など)まで細かくルール化されています。

また、写真ファイルの形式はJPEG、TIFF、SVGなどが使用可能とされ、電子データ提出の際の互換性と長期保存性を確保しています。

最近では、現場の効率化や信頼性向上を目的に、各企業や自治体でさまざまな運用上の工夫が進められています。

たとえば、撮影機器や現場管理システムをクラウド上で一元化し、アクセス制御や履歴管理によって改ざんを防止する仕組みを導入したり、電子署名やハッシュ値照合を活用して提出データの信頼性を高める取り組みなどが見られます。

こうした仕組みは、国交省の基準が掲げる「電子データの真正性と再現性の確保」という目的に沿うものであり、現場のデジタル化を支える重要な工夫といえます。

準拠するための具体的な対策:現場で実践すべきこと

まず、要領の最新版を確認し、社内マニュアルや撮影チェックリストを整備しましょう。撮影時には黒板の情報(工事名・位置・撮影日・内容)を明確にし、写真と一体で管理します。

撮影後は、ファイル名を体系的に整理し、フォルダ構造を工事区分・日付順で統一することで、後の提出作業をスムーズにできます。

さらに、撮影データは必ずバックアップを取り、クラウドや外付けHDDなど複数箇所に保管します。特に公共工事では、検査時に追加資料を求められることも多いため、フォルダ構成と命名規則を一貫させることが重要です。

最新のデジタル写真管理要領〜変更点と注意点〜

令和5年版の「デジタル写真管理情報基準(令和5年3月改定)」では、現場での撮影・保存・提出の実情に即した対応が想定されるようになっています。例えば、スマートデバイスなど現場で一般的な撮影機器の利用も考慮されており、電子データとしての提出・管理がより柔軟な運用を可能にしています。

クラウドを用いてデータを保存・共有する場合には、編集禁止・原本性の担保、アクセス制御や改ざん防止・ウイルス対策といった電子データ提出上の要件を満たす仕組みを社内ルールとして整備しておくことが重要です。また、令和7年3月版の「BIM/CIM関連基準要領等」などでは、3Dモデルや点群データとの連携、そして撮影写真を空間情報と結び付けて管理する運用が進みつつあります。こうした運用を取り入れるには、社内における教育や運用ルールの策定も欠かせません。

(参考:国土交通省BIM/CIM関連基準要領等

工事写真管理でよくある不備や注意すべき点

工事写真は、ほんの小さなミスでも全体の信頼性を損ねることがあります。ここでは、現場でよく発生する不備とその防止策を紹介します。

撮影漏れ

撮影漏れは、最も多いトラブルの一つです。配筋・防水層・埋設物など「後で見えなくなる箇所」を撮り忘れると、後から証明できません。

対応策として、撮影チェックリストを活用し、工程ごとに撮影項目を明確にします。また、チーム内でダブルチェック体制を整え、他の担当者にも確認してもらうことでミスを防げます。
工期が長期にわたる現場では、撮影ルールの共有と更新も忘れずに行いましょう。

不鮮明な写真

ピントのズレや露出不足、黒板の文字が読めないなどの不鮮明な写真もよくあります。これを防ぐには、明るさ調整・三脚使用・AFロックなど基本的な撮影技術の習得が重要です。

さらに、撮影後にその場で確認し、問題があれば即座に撮り直すことが大切です。最近ではAI補正機能付きカメラや専用アプリで、自動的に最適な設定に調整する機能も登場しています。

誤った日付・情報

日付設定の誤りは、写真の信頼性を大きく損ねる要因です。特に複数のカメラやスマートフォンを併用している場合、内部時計がずれているケースが多く見られます。

対策として、毎日の撮影開始前にカメラの日付設定を確認し、チーム全員で統一します。また、撮影後に自動でExif情報を読み取り、日付順に並び替えるアプリを活用すると管理が容易になります。

クラウド・アプリを活用して効率的な工事写真管理を

近年では、写真管理を効率化するクラウドサービスや専用アプリが多数登場しています。これらを活用することで、写真整理・台帳作成・提出を自動化し、現場作業を大幅に軽減できます。

クラウドサービスの導入のメリット・デメリット

クラウドを使えば、現場・事務所・本社間でリアルタイムにデータ共有が可能になります。一方で、通信環境が不安定な現場ではアップロードに時間がかかる場合や、セキュリティ設定の甘さによる情報漏えいリスクも存在します。

導入時には、暗号化通信・アクセス制限・ログ管理などの安全対策を必ず確認しましょう。また、クラウド上でフォルダ階層を統一し、社員全員が同じルールで運用できるよう教育を行うことも重要です。

アプリの活用で現場での作業効率を向上

アプリを利用すれば、撮影した瞬間に位置情報や撮影日を自動記録し、台帳に反映させることができます。紙黒板を使わずにスマート黒板を自動合成できる機能も一般化しており、撮影から整理まで一貫してスマホで完結します。

特に、AI分類機能や音声入力によるキャプション追加機能を備えたアプリは、現場作業の大幅な時短につながります。こうしたデジタルツールをうまく取り入れることで、「人の手で整理する作業」を最小限に抑えることが可能です。

ミライ工事写真を活用して工事管理の作業効率を向上させよう!

ミライ工事写真アプリ

「ミライ工事写真」は、建設現場のデジタル化を支援するクラウド型アプリです。スマホやタブレットで撮影した写真が自動で整理され、黒板情報や位置データが即座に反映されます。
さらに、台帳の自動生成やクラウド提出までワンストップで完結できる点が大きな特徴です。

現場担当者からは「1日かかっていた整理作業が1時間に短縮できた」との声も多く、特に新人スタッフの教育にも効果的です。また、複数現場を同時に管理する際にも、データの一元化によって全体の進捗が可視化され、報告作業が格段に効率化します。

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工事写真台帳アプリならミライ工事へ

モバイル×クラウドで完結

「ミライ工事」は、工事写真台帳を作成するための電子黒板付きアプリです。

撮影〜台帳を印刷するまで、スマホのボタン一つの操作のみ。

クラウドサービスなので、写真データの受渡しは不要で
異なるスマホ、タブレット、パソコンから同一の写真データを編集できます。
複数人での同時編集により、報告書作成までの作業時間が短縮され、
リアルタイムでの進捗確認が可能になります。

スマホでそのままPDF出力し、台帳の仕上がりもすぐに確認。
そのままお客様にもスマホからデータを共有できます。

台帳のエクセルでの出力もパソコン(WEB版)から可能です。

OK

オフラインモードへの自動切替で、
いつでもどこでも現場写真を撮影可能に!

また、クラウド同期オフモードでは、電波の強弱によらず写真報告書を編集できます。

自動アップロードのオン/オフを活用すれば通信量を節約。Wifi環境でのみ写真をアップロードする運用です。

OK

事務作業の手間をもっと効率化

テンプレート台帳機能を使えば、あらかじめ入力したテキスト内容が、
撮影時の電子小黒板に自動的に反映され、現場での黒板準備に要する手間や時間が削減されます。

これにより、写真台帳を作成するうえで担当者にかかるストレスを大きく削減します。
特に撮影から台帳作成まで2名以上が携わる運用で大きな効果を発揮します。

手順としては台帳のテンプレートを作成して、台帳新規作成時にコピーできます。
台帳の文章が電子黒板に反映され、現場では写真の差し替え撮影だけで済みます。

OK