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CALSモードとは?公共工事の電子納品に対応する写真撮影設定・サイズ・対応カメラまで解説

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国交省の電子納品ルールに適合した撮影設定として一般に「CALSモード」と呼ばれる機能について、「なぜ普通のカメラではいけないのか」「どのような基準を満たす必要があるのか」と疑問を感じている人も多いでしょう。

CALSモードとは、国土交通省が定める電子納品制度に基づく「デジタル写真管理情報基準」および「電子納品運用ガイドライン」に適合するよう、解像度・画像形式・圧縮率・管理情報(Exif)などを自動設定する、民間事業者が独自に実装した撮影設定(通称)です。国の制度として定義された公式用語ではありません。

これらの基準では、JPEG形式、有効画素数、管理情報構造、黒板の視認性などが技術的に定められており、単なる高画質撮影ではなく、電子納品として適正に管理・提出可能なデータ形式であることが求められます。

本記事では、CALSモードの正しい位置づけを踏まえ、画像サイズ、対応カメラ・アプリ、現場運用での注意点、実務での活用方法までを、新人施工管理者にもわかりやすく解説します。

CALSモードとは?

CALSモードとは、公共工事の電子納品で求められる写真要件(サイズ・解像度・形式)を満たすように、カメラ側で自動設定する撮影モードです。

国土交通省の「デジタル写真管理情報基準(令和5年3月)」では、工事写真のピクセル数・容量・JPEG形式などが細かく決められており、これに合わないと再提出や差し戻しの原因になります。

対して、CALSモードを使うと、自動で画像サイズが規定値に固定され、黒板や施工状況が判別しやすい画質になるのが特徴です。「撮ったあとにリサイズや変換をしなくても提出できる写真」をつくれるため、CALSモードに対応したカメラや写真撮影アプリを導入することをおすすめします。

CALSとは何の略?CALS/ECの意味

CALSとは「Continuous Acquisition and Life-cycle Support(継続的取得とライフサイクル支援)」の略で、米国の軍事・製造分野において生まれた、設計・施工・維持管理といったライフサイクル全体の情報をデジタルデータとして一元管理・連携させるという情報化構想です。

この考え方は日本にも導入され、公共事業分野においては国土交通省を中心に「CALS/EC(公共事業支援統合情報システム)」として展開されました。CALS/ECとは、公共事業のライフサイクル全体を通じて情報を電子化・標準化し、一貫して活用・管理していく国家構想(政策フレームワーク)を指します。

なお、CALS/ECにおけるECは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、公共事業分野における電子調達や電子的業務プロセスなど、業務全体の電子化を意味しています。

CALSモードとデジタル写真管理情報基準の関係

結論として、CALSモードは国土交通省が定める「デジタル写真管理情報基準」を、現場で確実に守るための実務用の撮影設定です。
ここでは、デジカメや写真アプリなどに搭載されているCALSモードとデジタル写真管理情報基準の関係をわかりやすく解説します。

デジタル写真管理情報基準とは何か

デジタル写真管理情報基準とは、公共工事の写真を「電子納品できる形式」で統一するための国の公式ルールです。
公共工事では、施工写真が検査・監査・将来の維持管理まで使われることから、誰が見ても同じ品質・同じ形式で閲覧できる必要があります。そのため、国土交通省は写真の次の規格を定めました。

  • 画像サイズ・解像度
  • ファイル形式(JPEG)
  • 黒板の写り方
  • ファイル名の付け方
  • フォルダ構成

なお、公共工事では納品前に「電子納品チェックシステム」を利用して、画像サイズや形式を検査しなければなりません。CALSに適合していない写真はエラーになります。
納品時にはチェック完了の資料も求められることから、再提出や手戻りを防ぐためにも、CALSモードに対応しておく必要があります。

CALSモードは「写真管理基準を守るための手段」

前述した内容からもわかるように、CALSモードは、デジタル写真管理要領を人の手を介さず自動で守らせるための現場向けツールです。次のような状態で写真を撮影でき、電子納品チェックをそのまま通過できるデータをつくれます。

  • 写真サイズが要領に固定される
  • JPEG形式で保存される
  • 過剰な高画質・大容量にならない

そのため、現在CALSモードを使わずに何度もエラーが出ている場合には、CALSモード対応のデジカメやアプリを導入するのがおすすめです。繰り返し発生するエラーを1回で通過できるようになります。

CALSモードの推奨画像サイズ・解像度・容量

CALSモードでは「黒板の文字と施工状況が確実に読める画質」を維持するために、100〜300万画素程度(約1,200×900〜2,000×1,500ピクセル)が推奨されています。以下に目安表を整理しました。

項目

基準

有効画素数

約100~300万画素

ピクセル目安

約1,200×900 ~ 2,000×1,500

ファイル形式

JPEG(JIS規格)

圧縮

標準(約1/16圧縮)

なお、高画質であるほど写真を鮮明に読み取れますが、「デジタル写真管理情報基準(令和5年3月)」では、以下の理由から過剰な高解像度は推奨されていません。

  • ファイル容量が肥大化する
  • CDやDVDが複数枚になる
  • 電子納品ソフトの処理が遅くなる

なおCALSモードに設定すれば、この基準どおりの解像度と容量で写真を自動生成できます。撮影後の編集が不要であるため、電子納品時のトラブルが起きにくくなります。

建設業界でCALSの画像サイズが決められている理由

建設業界でCALSモードによる画像サイズが決められているのは、写真の「信憑性」と「データ運用性」を両立させることが理由です。

たとえば、工事写真は「誰が見ても読める品質」にすることと同時に、「全国の自治体・業者のPCで扱える容量の軽さ」も求められます。そのため、写真管理基準に記載されている数値基準は、全国で運用しやすいバランスがとれた写真設定です。

最小限のデータ容量で見やすい写真を撮るための基準であるため、個人で細かく設定するよりもCALSモードを利用することをおすすします。

CALSモードを使うメリット・使わないリスク

CALSモードは、確実に利用することをおすすめします。以下に、CALSモードを使うメリットと、使わなかった場合のリスクをまとめました。

項目

CALSモードあり

CALSモードなし

画像サイズ

基準に自動適合

不適合の可能性あり

電子納品

そのまま提出可能

変換・修正が必要

黒板の可読性

確保しやすい

読めないリスク

手戻り

ほぼなし

差し戻しが発生

CALSモードを使う最大のメリットは、電子納品に適合した工事写真を最初から自動で撮影できることです。画像サイズ・解像度・JPEG形式が国交省の基準に固定されるため、納品時のエラーや再提出を大幅に減らせます。

一方、使わずに撮影すると、画質や容量がバラつき、電子納品チェックで不適合となるリスクが高まります。事務所での修正作業や再撮影につながり、工期やコストにも悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

CALSモード搭載カメラの代表例

CALSモードは、建設・測量向けの業務用デジカメに標準搭載されていることが多く、電子納品向けの写真を手軽に撮影できます。以下にモード搭載の代表例をまとめました。

メーカー

主なシリーズ

価格目安(税込)

特徴

RICOH
(リコー)

G900

108,900円(公式価格)

CALSモード・防塵防水・工事写真向け

Nikon

COOLPIX W300

約107,800円(Amazon)

黒板補正・電子小黒板対応

コダック

PIXPRO WPZ2

約18,000円

CALSモード搭載実績あり

これらの機種では、「CALS」「電子納品」「工事写真」といったモードを選ぶだけで、JPEG形式・解像度・圧縮率が基準どおりに固定されます。建設現場向きのカメラですので、新たなデジカメの購入を検討している方は、ぜひ比較候補に加えてみてください。

CALSモードはスマホアプリでも対応可能(iPhone・Android)

現場の写真撮影をスマホで対応したい方は、CALSモードがあるスマホアプリを導入するのがおすすめです。

スマホのカメラ性能は十分高くなり、アプリ側で「解像度制限・JPEG固定・黒板管理・Exif付与」を制御すれば、CALSモードと同等の写真運用が可能です。専用カメラがなくても、スマホ+CALS対応アプリで、国交省基準を満たす工事写真の運用が可能になっています。

もし導入するアプリをお探しなら、CALSモードによる撮影のほか、写真台帳作成、施工管理全般をまとめてクラウド管理できる「ミライ工事写真」がおすすめです。まずは無料版からスタートして、CALSモードの品質や、施工管理の使いやすさをチェックしてみてください。

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CALSモードで撮影するときの注意点【現場あるある】

電子納品の基準を満たせるCALSモードがあっても、撮り方を誤ると「黒板が読めない」「白飛びする」などで電子納品エラーになります。ここでは、撮影時のよくある注意点と解決策を紹介します。

白飛び・逆光・影に注意

直射日光や逆光の状態で撮ると、黒板が白飛びして文字が読めなくなります。CALS基準では「判読できること」が必須なため、これはNG写真です。対策として、撮影角度を変える・日陰に入る・黒板の向きを調整するだけで大きく改善します。

ピンボケ・手ブレを防ぐコツ

写真の画素数が足りていても、手ブレやピンボケがあると「有効画素数が不足」と判定されることがあります。

対策としては、両手で構える・シャッターを半押しでピント合わせ・1歩下がってズームで撮影することが重要です。不安定な場所では、三脚やスマホの手ブレ補正などを活用しましょう。

黒板・小黒板が読めない写真はNG

黒板の文字が読めない写真は、CALSモードでも電子納品では不適合になります。そのため、文字を太く書く・背景と同化しない色を使う・黒板を正面から撮ることが重要です。電子小黒板アプリを使うのも有効な解決策です。

ミライ工事写真はCALSモードに準拠した写真管理アプリ

スマホを用いて現場の写真撮影や施工管理に対応したいと考えていないでしょうか。それなら、電子納品基準に対応した撮影設定に加え、写真台帳作成に必要な機能が一体化された「ミライ工事写真」を活用するのがおすすめです。


ミライ工事写真は、国土交通省の電子納品制度および写真管理基準に対応した工事写真アプリです。J-COMSIA(施工管理ソフトウェア産業協会)の基準に基づく「改ざん検知(SHA-256)」「電子小黒板連携」「電子納品対応」などにも適合しており、公共工事の実務でも安心して利用できます。

また、写真撮影から台帳作成、クラウド共有までをスマホだけで完結できるのも大きな特長です。無料プランから利用できるため、まずは社用スマホに導入し、実務での活用可否を検討してみてください。


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まとめ|新人施工管理者がCALSモードで迷わないために

CALSモードとは、公共工事の電子納品制度および写真管理基準に適合した工事写真を、現場での設定ミスや撮影不備を防ぎながら撮影するための撮影設定(通称)のことです。

また、CALSモードを活用するうえで重要なのは、単に設定を合わせることではなく、黒板の視認性、光の当たり方、ピント、構図といった撮影品質そのものを含めて管理することです。施工管理をクラウド化できるスマホアプリを使えば、電子納品基準に対応した撮影から、写真台帳の作成・共有までを現場で一貫して完結させることができます。

CALSモードは、工事写真を撮影・管理するすべての人が理解しておくべき実務キーワードです。まずは、現在の撮影方法や写真管理の運用体制を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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