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施主検査とは?どこまで見る?流れ・チェックリスト・トラブル防止まで新人施工管理向けに解説

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施主検査は、施工管理者にとって「現場の評価が一気に可視化される工程」です。仕上がりの良し悪しだけでなく、是正対応・説明力・記録まで含めて、現場対応力そのものが問われる場面になります。

そこでこの記事では、施工管理者・工事担当者目線で、施主検査の意味、立会い体制、竣工検査との違いを解説します。施主がチェックする項目も紹介しているので、トラブルを未然に防ぐ参考にしてみてください。

施主検査とは?【読み方:せしゅけんさ】

施主検査とは、建物の引き渡し前に施主と工事担当者で完成状態を確認し、是正が必要な箇所がないかチェックする工程です。

この検査が必要な理由は、竣工検査や完了検査では、次の違和感が拾いきれず、引き渡し後のクレームに直結するためです。

  • 使い勝手
  • 施主の完成イメージや色合い

ここでの見落としは、是正工事の手戻りや信頼低下につながります。

そのため、工事担当者は「指摘されたら直す」という受け身ではなく、想定される指摘を事前に潰し、説明と記録をセットで行う姿勢が求められます。施主検査は品質を確定させる工程であるため、施工管理の仕上げと考えて取り組むことが重要です。

施主検査の立会いは誰がする?

施主検査には、施主と一緒に次のような工事担当者(そのうち1名以上)が立会う必要があります。

  • 現場監督
  • 営業担当者
  • 設計者

立会いが必要な理由は、施主から指摘を受けた際、その場で是正の要否や対応方法を判断しなければならないためです。

また、立会い者は、ただ同席するのではなく、指摘内容を整理し、是正対象かどうかを判断し、記録に残さなければなりません。施主とのトラブルを避けるためにも、立会い者が主導して進行し、判断と記録をその場で完結させるようにしましょう。

竣工検査との違い

竣工検査と施主検査は混同されやすいですが、以下のように、目的と評価基準が異なる検査です。

比較項目

施主検査

竣工検査

検査の主体

施主(発注者)

施工会社・設計者

検査の目的

問題ないか確認

契約・設計通りか

主な視点

使い勝手・見た目・違和感・注文通りか

施工品質・未施工

指摘されやすい内容

傷・汚れ・建付け・位置ズレ

施工漏れ・不良

 

竣工検査は、施工側・設計側だけで完結する技術確認の場です。一方、施主検査は施主が直接参加し、感覚的な評価も含めて判断する場になります。技術的な指摘や予想していない質問を受ける場合があるため、施工管理者の説明力や対応姿勢が大切ですします。

施主検査の目的

施主検査の目的は、不具合を洗い出すことだけではなく、施主が納得した状態で引き渡しを行い、引き渡し後のトラブルを防ぐことにあります。

この工程を曖昧にすると、是正対応やクレームが引き渡し後まで持ち越され、施工管理者の負担が大きくなります。そのため、指摘事項はその場で整理し、是正の要否・対応方法・期限を明確にしたうえで、記録として施主と共有することが欠かせません。

なお、住宅は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、引き渡し後も構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分の欠陥(瑕疵)があった場合、引き渡し後10年間の瑕疵担保責任を請負人や売主に負わせることが義務づけられています。さらに、この責任を確実に履行させるため「住宅瑕疵担保履行法」によって保険加入または保証金の供託が義務付けられています。

そのため、妥協せず丁寧に対応することが、結果として現場と担当者自身を守ることにつながります。

施主検査はいつ行う?実施タイミングと全体スケジュール

施主検査は、工事がほぼ完了し、引き渡し前に行うのが原則です。工事完了からの一般的な流れをまとめました。

  1. 工事完了(仕上げ・清掃まで完了)
  2. 竣工検査・社内検査
  3. 施主検査
  4. 是正工事
  5. 是正確認
  6. 引き渡し

      なお、施工管理者として意識すべきなのが、施主検査=引き渡し前の最終工程ではないという点です。施主検査のあとにほぼ必ず「是正対応」と「是正確認」が入るため、スケジュール上はワンクッション置いた工程として組む必要があります。

      すでに引き渡しの日程が決定しているなら、是正工事や是正確認を考慮したタイミングで施主検査を実施するのがおすすめです(目安は引き渡しの半月~1か月前など)。

      工期遅延・是正未完了で起きるリスク

      施主検査のタイミングが遅れたり、是正が未完了のまま引き渡しを迎えたりすると、次のようなリスクが発生する点に注意が必要です。

      • 引き渡し後に追加是正を求められ、緊急対応や手戻り工事を受ける
      • 是正期限が曖昧なまま進み、施主からの不信感やクレームを受ける
      • 軽微な不具合でも重大視され、保証対応・無償補修の要求を受ける
      • 引き渡し後の対応が長期化し、現場・担当者の工数が増える
      • 社内外での評価が下がり、次案件や紹介に悪影響を受ける

      これは、施工品質の問題というより、段取りと記録の問題であることがほとんどです。トラブルを未然に防ぐためにも、施工管理者は「施主検査は是正前提であること」「是正完了を確認してから引き渡すこと」「是正前後を記録として残すこと」を徹底しましょう。

      施主検査はどこまで見る?主なチェック内容一覧

      施主検査では、施主の目線に合わせて仕上がりを確認しつつ、施工管理者としては「引き渡し後に問題化しやすい箇所」を先回りして潰すことが重要です。

      すべてを完璧に仕上げるというより、是正の要否・範囲・優先度を判断する視点で確認していきましょう。以下より、項目別のチェックポイントを整理していきます。

      内装のチェックポイント

      内装は施主の目に触れやすく、軽微な不具合でもクレームにつながりやすい領域です。仕上がりの良し悪しだけでなく、「是正すべきか/説明で済むか」の切り分けが求められるため、事前に以下をチェックしておきましょう。

      • クロス・床・建具に目立つ傷や汚れがないか
      • クロスの継ぎ目、入隅・出隅に浮きや剥がれがないか
      • 巾木・枠まわりに隙間やコーキングの乱れがないか
      • 建具・収納扉の開閉がスムーズか、異音がないか
      • 床や階段を歩いた際に沈み・軋み音がないか

      なお、細かな擦り傷などは是正対象外となる場合もあるため、基準を踏まえて説明できるかも重要です。

      外装・共用部のチェックポイント

      外装・共用部は、引き渡し後に補修しづらく、後工程や近隣対応に影響しやすい箇所です。以下のように、未完了や施工漏れがないかを重点的に確認しましょう。

      • 外壁・基礎にひび割れ、欠け、汚れがないか
      • バルコニー・庇・サッシまわりに防水不良の兆候がないか
      • 外構・土間・アプローチに未施工・仕上げ不足がないか
      • 雨樋・排水経路が正しく施工されているか
      • 共用動線(階段・廊下等)に安全上の不具合がないか

      特に、重大な施工不良が見つかり、是正工事に時間がかかる際には、引き渡し可否につながるケースもあるため要注意です。

      設備・電気・水回りのチェックポイント

      設備関係は「使えない=即トラブル」になりやすいため、実際に動かして確認することが基本です。以下のチェックポイントをもとに、施主検査の準備を進めましょう。

      • 設備機器のメーカー・品番・仕様が図面通りか
      • 照明・スイッチ・コンセントが正常に作動するか
      • 給排水に漏れ・詰まり・異音がないか
      • 換気扇・給湯設備が問題なく起動するか
      • コンセントの位置・高さ・電圧(100V/200V)に誤りがないか

      設備説明と検査が同時進行になりやすいため、事前に図面などを整理しておくと説明がスムーズです。

      図面・仕様との相違チェック

      施主検査で特に重要なのが、契約内容との整合確認です。ここでの見落としは、後から是正できないケースもあります。以下を確実に確認しておきましょう。

      • 建具の種類・開閉方向が図面通りか
      • 収納・窓・照明・設備の位置や数に相違がないか
      • 打ち合わせ変更内容が正しく反映されているか
      • 取付忘れ・施工漏れがないか

      また、施主検査で図面通りだったとしても、施主から「違和感がある」と伝えられた場合は、説明・記録を残しておくことが重要です。

      施主検査にかかる時間はどのくらい?

      施主検査にかかる時間は、建物規模や指摘内容にもよりますが、一般的な戸建住宅で2〜3時間程度が目安です。マンション住戸や規模の大きい物件、指摘が多い場合は、半日程度かかることもあります。

      なお、施主検査を実施する際には、あらかじめチェック箇所をリスト化し、時間配分を決めておくと確認がスムーズです。以下の場合は検査時間が長引くこともあるため、注意してください。

      • 図面変更や仕様変更が多い現場
      • 内装仕上げの是正指摘が多い場合
      • 設備説明をその場で詳細に行う場合
      • 施主が初めての住宅購入で、確認に時間がかかる場合

      なお、施主検査の時間はあくまで目安です。検査のスピードよりも、「是正が必要な箇所を見逃さないこと」「指摘事項をその場で整理・記録すること」のほうが重要であるため、余裕のある段取りで検査を進めましょう。

      施主検査で起きやすいトラブルと「後悔・最悪ケース」

      施主検査では、対応をあいまいにしたまま進めると、引き渡し後に大きなトラブルへ発展することがあります。ここでは、施工管理者が特に注意すべき代表的なケースを整理します。

      指摘が口頭だけで記録が残らない

      施主からの指摘を口頭対応のみで済ませると、是正内容や範囲の認識がズレやすくなります。その結果、「言った・言わない」のトラブルに発展し、引き渡し後に再是正や追加工事を求められるケースも少なくありません。

      最悪の場合、施工管理者個人の対応ミスとして責任を問われ、クレーム対応が長期化します。

      是正前後が確認できず揉める

      是正箇所の施工前後を記録せずに引き渡すと、「本当に直ったのかわからない」「最初より悪くなった」と施主から指摘されることがあります。

      是正の完了を客観的に証明できないため、再確認や再工事を求められ、引き渡し後も現場対応が続く最悪のケースにつながります。

      施主検査の是正対応フロー

      施主検査で指摘が出た場合、施工管理者は次の流れで対応します。

      1. 指摘内容をその場で整理し、是正の要否を判断する
      2. 対応方法・担当者・期限を明確化する
      3. 指摘箇所を写真と図面で記録する
      4. 是正工事を実施する
      5. 是正完了後、施主立会いで再確認する

       

      是正前後を写真で残し、記録として共有することで、「直した・直していない」といった認識違いを防げます。フローを徹底すれば、引き渡し後のトラブル回避につながります。

      施主検査は「写真記録」をアプリで実施するのがおすすめ

      施主検査では、指摘内容や是正状況を写真で正確に残すことが、品質管理とトラブル防止の要になります。一方で、写真管理には次のような負担が発生しがちです。

      • 撮影後のPC取り込み・フォルダ整理に時間がかかる
      • 黒板と台帳の二重管理が発生する
      • 是正前後の写真が混在し、後から追えない
      • 現場と事務所の情報共有に遅れが出る

      このまま引き渡しを迎えると、「是正内容を説明できない」「完了を写真で証明できない」といったトラブルにつながります。

      そして、こうした課題を解消できるのが、無料から使えるミライ工事写真アプリです。撮影から台帳作成・共有までを現場で完結し、以下の作業をスムーズ化できます。

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      • 電子小黒板による是正情報の正確な記録
      • 是正前後の整理・共有

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      まとめ|施主検査は「記録・共有・是正」で品質が決まる

      施主検査は、仕上がりを確認するだけの場ではなく、引き渡し後のトラブルを防ぐための最終工程です。

      ここで重要なのは、指摘内容を曖昧にせず、写真で記録し、関係者と共有し、確実に是正することです。この一連の対応ができていれば、クレームや追加対応は大きく減らせます。

      施主検査を「作業」で終わらせず、品質を守る管理工程として捉え、日々の現場運営に活かしていきましょう。

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