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公共工事とは?品質管理と写真記録が求められる理由

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公共工事とは何か。現場に関わると、民間工事との差に戸惑う場面が多くあります。公共工事は、国や地方自治体などの公的機関が発注する工事であり、多くは入札制度に基づいて契約が進み、品質管理や出来形確認、写真記録の取り扱いまでが制度として明確に定められている点が特徴です。

これは、主に税金を用いて行われることが多い公共事業において、透明性と説明責任が強く求められるためです。

本記事では、公共工事の位置づけ、発注主体が公的機関である理由、入札制度(一般競争・指名競争・総合評価方式)、契約と検査の仕組みを整理します。

また、出来形管理や工事写真が求められる根拠も制度面から丁寧に解説し、公共工事における記録の重要性を体系的に理解できる構成としています。さらに、写真管理の負担を軽減できるツールとして「ミライ工事写真」の活用例にも触れ、現場実務を支える視点も盛り込みます。

公共工事とは何か?定義と位置づけについて

公共工事の定義と対象となるインフラ

公共工事とは、国・地方公共団体・独立行政法人など公的役割を持つ機関が発注し、地域社会が利用するインフラを整備・維持する工事です。

道路、橋梁、上下水道、河川、公園、公共建築物など、生活を支える社会資本が対象であり、住民の安全性や利便性に直結します。これらは長期的な視点で維持管理が求められるため、行政が主体となって計画し、公的予算のもと実施されます。

制度的な特徴と民間工事との違い

公共工事は主に税金を原資としているため、透明性と公平性の確保が不可欠です。施工や証跡の残し方は、法令、容量、契約仕様の組み合わせで義務付けらえれます。公共としての観点からも、品質管理・出来形確認・写真記録に関して、民間工事よりも説明責任が重く、記録体系が厳格化されている点が大きな特徴です。

(出典)公共工事の品質確保の促進に関する法律

公共工事は公的機関によって発注される

公共インフラを公的主体が担う理由

インフラは地域の安全・生活を支える基盤であり、長期性や広域性を持ちます。特に道路やライフラインの整備には継続的な更新・補修が不可欠であり、短期的な収益で動く民間企業のみでは安定した実施が難しい場合があります。地域の均衡ある発展や防災対策のためにも、公的機関が責任主体となり、計画的に事業を進めることが合理的とされています。

税金を原資とする工事に求められる透明性と公平性

公共工事は主に税金で実施されるため、手続きや品質確認の透明性が強く求められます。入札公告、評価基準の公開、契約図書に基づく施工、監督職員による検査など、一貫した制度が設けられ、施工者選定から工事の完了確認まで公平性を担保する仕組みが整っています。

(出典)公共工事の品質確保の促進に関する法律

公共工事の入札制度について

入札制度が求められる背景

入札に当たり、公平性・透明性の高い選定が必要です。入札制度は工事内容に応じて方式が定められ、適正価格と品質を両立しつつ、信頼性の高い施工者を選ぶ仕組みとして運用されています。発注者と受注者の関係を明確にし、事業の健全性を確保する役割も果たします。

主要な入札方式

一般競争入札
資格要件を満たせば広く参加でき、透明性の高い方式。

指名競争入札
発注者が選定した事業者のみが参加する方式。専門性が高い工事などで用いられます。

総合評価落札方式
価格だけでなく技術力や施工体制を総合的に評価する方式で、品質確保のため年々採用が増えています。

入札から契約までの流れ

入札の基本的な流れは次の通りです。

  1. 入札公告(または指名通知):工事概要や参加条件を公表
  2. 設計図書・仕様書の公開:事業者が内容を確認
  3. 質問受付・回答:不明点を解消し適切な応札を準備
  4. 入札書提出:価格や必要書類を提出
  5. 開札・評価:価格や技術提案を評価し候補者を選定
  6. 落札決定・契約締結:評価結果に基づき契約を締結

これらはすべて制度に基づき運用され、発注者・施工者双方の手続きを明確化する仕組みとなっています。

(出典)公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律

契約と検査の仕組み

契約図書に基づく施工

公共工事は、契約図書に示された内容に基づいて実施されます。契約図書には請負契約書、設計図書(図面・仕様書)、現場説明書、積算内訳書などが含まれ、工事の内容・数量・品質・施工手順が明確に示されています。
施工者はこれらを基準として工事を進め、材料・施工方法・完成後の状態についても契約図書に適合しているかが判断の基準となります。

監督職員による確認

監督職員は、工事が契約どおりに実施されているか随時確認します。必要に応じて指示や協議が行われ、条件変更が必要な場合には正式な変更契約として処理されます。

検査と記録整備

材料確認、中間検査、出来形検査、完成検査など複数の検査が行われます。出来形管理表や材料記録、工事写真は検査の根拠資料として不可欠で、契約履行を証明するための重要な記録となります。

(出典)国土交通省公共工事標準請負契約約款

なぜ出来形管理が求められるのか?

目的と役割

出来形管理とは、構造物が設計値どおりに施工されているか確認する作業であり、契約履行の根拠となる重要な工程です。行政による品質確保の仕組みとして位置づけられ、工事の信頼性を支える基本手順の一つです。

管理基準と測定方法

出来形管理では、管理項目・測定方法・許容値が工種ごとに仕様書で定められています。例としては以下があります。

  • 道路工事:幅・厚さなど
  • 河川工事:法面勾配・高さ
  • コンクリート工事:部材寸法・かぶり厚さ

測定結果は出来形管理表や測定データとして整理し、出来形検査や完成検査時に提出します。全国的に基準が統一されているため、発注者・施工者が同じ基準で品質を確認できる仕組みが構築されています。

写真記録との関係性

鉄筋・型枠・埋戻しなど、後から確認できない工程では写真記録が重要な補完資料となります。数値だけでは判断できない施工状況を示すため、写真は出来形管理と一体で用いられます。

(出典)国土交通省電気通信設備工事写真管理基準

工事写真が重要とされる根拠について

工事写真の役割

公共工事の工事写真は、施工内容や状況を客観的に示す証拠資料として位置づけられています。図面や数値だけでは把握できない作業の進め方、位置関係、使用材料の状態などを視覚的に示せる点が特徴です。

特に、埋戻し・鉄筋配置・型枠内部など、後から確認できない工程では、写真が施工内容を証明する資料となります。

品質管理・出来形管理における位置づけ

黒板入り写真や施工前後の比較写真は、数値では伝わらない施工の実態を補完します。検査では「数値+写真」をもって適合性を判断するため、写真は品質管理に欠かせません。

記録の信頼性と台帳作成

公共工事では撮影情報の残る写真が信頼性の根拠となり、工種・工程ごとの分類や台帳作成などのルールが明確に整備されています。

(出典)国土交通省デジタル写真管理要領

公共工事における写真管理の課題とは

撮影対象の多さと基準統一の難しさ

鉄筋・型枠・埋設物・配管など撮影対象は多岐にわたり、工種によっては1日100枚前後になることもあります。黒板記載や撮影方向などのルールもあり、担当者間で基準統一が難しい点が課題です。

整理・分類・台帳作成の負担

撮影したままでは検査資料として使用できず、分類・整理・台帳作成が必要です。ファイル名のばらつきなどがあると作業負担が増え、検査前に集中する傾向があります。

撮り漏れ・重複撮影のリスク

現場の進行が早いと撮り漏れが発生しやすく、情報共有が不十分な場合には重複撮影も起こり得ます。結果として台帳作業が検査直前に集中し、負担が増大します。

ミライ工事写真で効率化できること

写真整理と台帳作成の効率化

公共工事では、撮影した写真を工種・工程ごとに分類し、台帳へまとめる作業が大きな負担となります。ミライ工事写真では、撮影データをアップロードするだけで自動分類が行われ、台帳作成までの工程を効率化できます。

検査前に集中しがちだった整理作業を平準化でき、現場管理の質を保ちながら業務負荷を抑えることが可能です。

撮影漏れ防止と必要記録の可視化

工種ごとに必要な撮影項目をリスト化し、進捗と紐づけて管理できるため、撮り漏れの防止に役立ちます。複数の担当者が撮影を行う現場でも、必要写真が共有画面で可視化されるため、情報共有の補助ツールとして機能し、重複撮影や抜け漏れを防ぎます。

情報共有の円滑化と記録品質の維持

クラウド上で写真を共有できるため、現場と事務所、複数の担当者間で最新の状態を確認しながら作業を進められます。黒板内容の認識など、写真内容を自動判別する機能も活用でき、出来形写真や工程写真の整理がスムーズになります。

記録品質を保ちつつ、現場の実務負担を軽減できる点がミライ工事写真の大きな特徴です。

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