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<個人情報苦情及び相談窓口>
株式会社ミライ工事
個人情報保護管理者: 神山
苦情及び相談窓口責任者 神山
〒153-0043 東京都目黒区東山3-16-19
TEL :03-3714-3355
メール:help@miraikoji.com
(受付時間 月曜日~金曜日 祝祭日を除く 9時~17時)
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中古住宅市場の拡大に伴い、既存住宅の診断や耐震改修が社会的に求められるようになってきています。そうした中、専門的なインスペクションや耐震改修図面の作成を手掛け、「一棟でも多く安全な住宅を届けたい」という理念のもとに活動しているのが株式会社カーロポストです。
同社は膨大な資料作成や情報管理の課題を抱えつつも、それを打開するために施工管理アプリ「ミライ工事」を導入しました。
さらに、案件数の増加に伴い従来のエクセル管理では限界を迎えたことから、ミライ工事に物件管理システムの開発も依頼し、自社の業務フローに適した仕組みを構築して業務効率化を進めています。今回は、そのミライ工事導入に至った背景や効果、そしてシステム開発に踏み込んだ経緯について詳しくご紹介します。
目次
インスペクションから耐震診断まで、一気通貫で提供する独自の強み
―御社の事業内容について教えてください。
当社は既存住宅に特化した建築士事務所です。新築を手掛けるのではなく、既存住宅のインスペクションや耐震改修工事の図面作成を行っています。お客様は主に不動産の買取再販を行う法人や宅建業者が多く、私たちはお客様が住宅を商品として提供するために必要なサポートを行っております。
インスペクションというのは、いわば“住宅の健康診断”です。壁を壊したりするわけではなく、目視で劣化状況を確認し、その結果を報告書にまとめます。これにより、売主も買主も住宅の状態を正しく理解した上で取引ができ、引き渡し後のトラブルを防げる役割を果たしています。
―同業他社も存在する中で、御社の強みはどのような点でしょうか。
最大の強みは、インスペクションだけでなく、フラット35の適合証明書発行や耐震診断までの専門的な対応をワンストップで行える点です。通常はそれぞれ別の専門業者に依頼しなければならないのですが、当社に依頼すればすべてまとめて対応できます。お客様から『カーロポストに頼めば解決する』という安心感を提供できることを常に意識しております。
不動産営業の方々はとても多忙ですから、複数の業者に依頼する手間をなくすことで、お客様の業務を効率的に進めていただくことができます。業界の中ではニッチな領域ではありますが、利便性を重視したワンストップ対応こそが私たちの強みだと思っています。
エビデンス強化と業務効率化を両立するミライ工事の実力
―ミライ工事導入のきっかけについて教えてください。
ミライ工事とは長いお付き合いで、導入はかなり前にさかのぼります。最初のきっかけは、代表の知人からの紹介でした。当時はインスペクションの現場で撮影した写真を提出する際、デジカメで撮影した画像をパソコンに取り込み、フォルダごとに整理し、エクセル台帳に一枚ずつ貼り付けるという、非常に手間のかかる作業を行っていました。この非効率なフローをどうにか改善したいという思いが導入検討の出発点でした。
また、弊社の業務であるフラット35の適合証明書を発行する際に、現場で実際に検査を行ったことを住宅金融支援機構に証明する必要があるのですが、当時現場に行かずに写真だけを提出する不正が横行しており、処分を受けた業者が多数いたのです。
こうした背景から、業界全体で証拠の信頼性が強く求められるようになっておりました。ミライ工事のアプリで撮影した写真はデータに位置情報が自動的に記録されます。このデータは「確かにその場所で検査を行った」という確実な証拠となり、全国各地の現場に足を運ぶ私たちにとって非常に大きな価値がありました。そのような経緯もあり「この仕組みなら安心して業務に活用できる」と確信し、ミライ工事を導入し、そして現在に至ります。
―ミライ工事を実際に利用して便利だと感じた機能はどのようなものでしょうか。
最も便利だと感じているのは「写真管理機能」です。現場で撮影した写真が自動的に案件ごとに整理されるため、これまでのようにパソコンでフォルダを分けたり、ファイル名を変更したりする手間が一切ありません。
さらに、報告書用の写真台帳もアプリ上で表紙やロゴを設定すればすぐに作成でき、見栄えの良い形でお客様に提出できます。結果として、資料としての説得力が高まり、信頼性の向上にもつながっています。
また先にも述べた通り、ミライ工事では写真に位置情報が付与されることもあり「確かにその現場で撮影されたもの」というエビデンスが得られます。これは審査する住宅金融支援機構としっかりと交渉したことで、公式にエビデンスとして認められ、現在は業務に活用できる仕組みとして完全に定着しています。そのため、現在は当社のメインツールとして大いに活用させていただいております。
―実際に使ってみて、業務効率にはどのような変化がありましたか。
導入の効果は明確で、業務は大幅に効率化されました。これまでは1件ごとに撮影した写真を整理し、エクセルに貼り付けて台帳を作成するだけで数時間を要していました。しかし現在では、現場で撮影した写真をそのままアップロードし、必要なものを選択してクリックするだけで報告書が完成します。
作業時間は従来の半分以下に短縮されたと実感しています。特に案件数が増加する中で、もし従来のやり方を続けていたら業務が追いつかなかったでしょう。
ミライ工事の導入により、スタッフが増えても作業手順を標準化でき、誰でも一定の品質を担保した報告書を作成できるようになりました。効率化と品質の均一化が両立できたことに加え、証拠性を担保した写真管理によって信頼性も高まりました。まさに「導入して本当に良かった」と強く感じているポイントです。
入口を一本化し、進捗を“見える化”―ミライ工事と共に築いた新しい業務基盤
―ミライ工事に物件管理システムの開発を依頼したと伺いましたが、こちらのシステム開発を依頼した背景について教えてください。
ここ4〜5年で案件数が急増し、従来のExcel管理では完全に限界を迎えていました。月に40〜50件の新規案件が発生する状況で、創業からの7年分をさかのぼるとその情報量は膨大なものになります。住所や担当者名といった基本的な情報だけでもファイルが重くエクセルのフリーズが頻発するようになり、過去案件を探すのも大変。そのような状況でした。
加えて、物件ごとに進捗状況(ステータス)が異なるため全体の把握が難しく、どの案件がどこまで進んでいるのかを共有しづらいという状態でもありました。さらに、取引先との連絡手段もメールを使う人、専用アプリを使う人とバラバラで、情報が完全に分散し、結果として「今どの案件で何をすべきか」がチーム全体で見えにくくなっており、管理面で大きな課題を感じていたのです。この課題をどうにか解決するため、物件管理システムの開発に着手することになったのです。
―既存サービスの検討はしなかったのでしょうか
もちろん既存サービスの利用も検討しました。しかし、一般的なタスク管理アプリでは不十分でした。当社が求めていたのは、依頼の受付から資料の格納、進捗に応じたステータスの自動連動までを一気通貫で実現できる仕組みです。
さらに、上場企業などの取引先もいるため、曖昧なツールを利用するわけにはいきません。取引先もしっかりと納得していただける完成度が必要でした。そこで日頃から現場理解が深く、写真報告や帳票運用で信頼を築いていたミライ工事へ相談させていただくことになったのです。
―実際にシステム開発を依頼して、いかがでしたでしょうか?
システム開発は決して平坦な道のりではありませんでした。当初はプロジェクト全体を統括する“舵取り役”が不在だったため、関係者がそれぞれ要望を出す「多声化」が発生しました。その結果、方向性が定まりにくい状況となったのです。そこで開発プロセスを「プロトタイプ → フィードバック → 改修」というサイクルに切り替え、実際の形を見せながら調整を重ねるアプローチを採用しました。
コミュニケーション面では、毎週30〜90分の定例ミーティングを設けて進捗や仕様を確認し、合間にもタスクや要望を随時共有させていただきました。私たちの要望が抽象的な場合でも、ミライ工事から「工数やコストを含めたA案/B案」といった複数の選択肢が提示され、その場で現実的な意思決定ができたことは大きな成果でした。
また、UI・UX設計においては、「画面やボタンを極力少なくする」という原則を掲げました。利用者は自社だけでなく取引先の営業担当者も含まれ、年齢やITスキルの幅も広いためです。業務上は複雑な条件分岐が必要でしたが、それらはシステム内部のロジックで吸収し、ユーザーが触れる画面は直感的に分かりやすく設計。結果として、誰もが迷わず利用できるシンプルな仕組みが実現しました。
―ミライ工事の対応はいかがでしたでしょうか。
共同開発ではない以上、どこまで要望を取り込むかの線引きは常に難しい判断でした。しかし「入口一本化・見える化・標準化」という中核要件に照らして優先度を整理し、ときには“今はやらない”という決断も交えながら進めたことで、核となる業務体験を崩さずにリリースへと到達することができました。
対応面を率直に評価すると、「柔軟さ」「提案力」「実装スピード」の三つが際立っていました。単に要望をそのまま形にするのではなく、業務目的の背景まで理解した上で「こうした方が良いのでは」と具体的に提案してくれる。そのうえで反映のスピードが速く、プロトタイピングの回転も格段に高まりました。こちらからの素朴な疑問や抽象的な依頼に対しても、粘り強く応じてくれた点は大きな支えになりました。
また、毎週の定例ミーティングに加え、随時コミュニケーションをとりやり取りを組み合わせたことで、温度感のすれ違いが起きにくくなりました。担当交代があった際にしっかりと対応していただき、仕様の連続性が確保されたのは安心材料でした。開発チームが一貫して「はい、大丈夫です」という前向きな姿勢を見せ続けてくれたことも、信頼につながった要因だと感じています。
―実際に稼働させた現状の運用状況とその効果について教えてください。
2024年11月に一部エリアで試験運用を開始し、今年8月7日には全国展開を実現しました。稼働期間は10ヶ月近くになりますが、今の所大きなトラブルは発生していません。当初の課題であった業務の煩雑さは解消され、「入口一本化」「見える化」「標準化」という狙いがしっかりと機能しています。運用現場では、Excelが固まる・必要な情報が見つからないといった過去の非効率がなくなりました。
現在では、誰が見ても案件の進捗と次のアクションが即時に把握できるようになり、問い合わせが殺到するような混乱もありません。UIは徹底的に突き詰められており、「これで分からないと言うなら使わないでほしい」と言えるほど直感的な仕上がりを実現しています。もちろん、運用を続ける中で「もっとこうしたい」という要望は出てきます。しかし、現時点で一通りの業務を問題なく処理できる水準に到達しており、今後は利用者の幅広さを前提に、迷いを生まないUI設計と裏側の業務ロジックの両面で微修正を積み重ねていく方針です。
「一棟でも多く安全な住宅を」―ミライ工事と共に描く未来戦略
―今後の展望について教えてください。
現在の仕組みでも業務効率は大きく改善されていますが、まだ多くの可能性が残されていると感じています。たとえば、お客様への報告フローをさらにスムーズにしたり、過去案件のデータを積極的に活用して提案力を高めたりと、取り組みたいテーマは数多くあります。
私たちの使命は「一棟でも多く、安全な住宅を増やすこと」です。そのためには限られた時間の中でできるだけ多くの物件を診断し、確実に品質を担保する必要があります。ミライ工事を導入したことで、その実現に一歩近づけていると実感しています。もはや単なるツールではなく、事業を共に進化させていくパートナーのような存在になりつつあります。こちらの要望に柔軟に対応してくれるだけでなく、新しい提案も積極的にいただけるため、今後も共により良い仕組みをつくっていけると期待しています。
私たちが目指しているのは、住宅の安心・安全を担保する仕組みを社会に広く浸透させることです。その実現に向けて、ミライ工事と共にさらなる加速を図っていきたいと考えています。